国を守るための暴力装置!?『陸海空軍』ってなにやってるの?

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陸海空。この3つの言葉を聞いて連想することはなんでしょうか?

地球表面を構成する部分として3区分される陸、海、空。この3語を並べると思い浮かぶのが「地球」であれば平和な発想で魅力的。

ですが、思い浮かびやすいのはむしろ軍事ではないでしょうか。

つまり、陸軍・海軍・空軍です。アメリカの国防総省、通称ペンタゴンは宇宙空間やサイバー空間、すなわちインターネットの世界まで戦場扱いしているので、時代が進むにつれて地球の表面以外が争いの舞台になってるというのが、人類の進歩といえるのかどうか疑問の残るところですが。

話が逸れました。今回は地球表面のお話に限定してということで、陸海空軍について紹介したいと思います。

陸海空と3区分されているのはいったいなぜか?

そもそも陸海空軍はそれぞれどんな軍務や役割があるのかなど、名前は知っているけど実態は知らないことも多いであろうこれら軍事機関について順番に解説していきましょう!

そもそも軍隊とはなにか?

陸軍・海軍・空軍は、どれも軍隊です。

では、そもそも軍隊とはいったいなんなんだという話から軽く触れましょう。

軍隊は兵器やそれらを扱う兵士を扱う、戦闘力を備えた軍人の集団のことです。この説明だけでも多少物騒ですが、もっと物騒な言い方があります。国家の暴力装置です。すごい言い方ですね。

この暴力装置とは、国家権力によって組織化され、制度化された暴力のことを意味する社会用語です。造語などではなく、正式な用語として存在しているのです。

ちなみにこの暴力装置は、軍隊だけでなく警察も指します。警察機関が一気に印象変わってしまう呼称な気もしますが…。

暴力装置はなぜあるの?

この暴力装置がなぜお国の公認で標準装備されているのかというと、公的に暴力を用意していなければ、結果的に個人や集団間で必ず暴力的な争いは起こるからです。それは自衛であったり安全のためなど、自らを守るために仕方なく行われるものも暴力として含まれます。

つまり、暴力とは必ず生まれるものということです。これは生物として当然のことなので、嘆くものではありません。自然界でも自衛のために暴力というのは必然なのですから、生物の一員である人間界も暴力が自然発生して当然なのです。

しかし、その自然発生的に起こる暴力は、個々人によって抱える解釈が異なるため、勝手に起こる暴力を放置しておくと国がムチャクチャになります。当然ですよね。それぞれがそれぞれの理由(正義といえば聞こえがいいかもしれません)を掲げてあちこちで喧嘩しまくってたら、国が正常に機能しません。時は世紀末な北斗の世界、それこそまんま暴力の世界になってしまいます。

そんな暴力の世界にしないために、暴力装置を国が正式に用意している、というわけです。自由気ままにあちこちで争いが起こらないようにするために、抑止力としてきっちりとお国が強力な暴力装置を用意して、なにかヤバいことが起こりそうならその暴力装置が「そんなことしちゃダメですよ?」と睨みを効かせる。

ヤバいことをすればお国が用意した圧倒的な組織力によって作り出された洒落になれない暴力のターゲットとなる、となれば、しょうもないことで暴力をふりかざすわけいはいきません。

というわけで、国の平穏や秩序を保つために、国が強力な暴力装置を備えているというのが1つの理由です。

名前は物騒ですが、暴力を抑止するために暴力が存在する、ということですね。同様の理由で各国が核を保有しているという話がありますが、暴力で暴力を抑えるというのもなんだか皮肉な話。

暴力装置である軍隊の役割

このように、暴力装置は国内の治安維持を担っている側面があります。

そのため、ガッチガチに強力な暴力装置である軍隊は国の安全をいろんな意味で守るためには重要なのです。

そしてもう一つ重要なのが、敵への対処ということ。

軍隊といえばこちらのイメージが強い人も多いのではないでしょうか。(どちらかというと国内の治安維持は警察が担っているイメージが強いはず)

軍隊は敵、つまり他国からの侵略や防衛を遂行する権限と能力があるため、戦時国際法と呼ばれる法律よって、戦時では敵を直接攻撃する、つまり殺傷することが法で認められている特殊な存在です。

これも国内の安全を守るのと同様で、やはり敵に対しての攻撃手段を備えているということは、結果的には国の安全を守ることに直接つながります。

そして、他国、つまり外部から国を守るためには、地球を表層している部分を網羅している必要があるのです。

つまり、陸と、海と、空。

この3要素をがっちりガードしていてこそ、国の安全を守るための暴力装置は機能します。

陸軍・空軍・海軍ってなにやってるの?

では、それぞれのフィールドを守っている陸軍・海軍・空軍はいったいなにをやってる機関なんでしょうか?

それぞれがどのような暴力装置(何回言っても物騒ですねこの表現)がどのように機能しているのかを、ざっくりと紹介していきましょう。

陸軍

その名の通り、主に陸上において軍事作戦を遂行する軍隊です。

陸地がいかに重要な場所か、というのは感覚的にも分かると思いますが、資源及び住居の中心。つまり、人間が住むのは陸ですし、働くのもほとんどが陸地、そして食べ物や燃料、材料といった数多くの資源の中心でもあります。

そして陸地とは一言でいっても、さまざまな地形があります。平野、山岳、河川など、地形によって行動を変化させなければならないというのも陸の特徴です。

陸地はさまざまな理由から、人間という動物の根源的な生活空間であり、またさまざまな地形に適した軍事活動が要求されるため、陸を守ることは国防においても必須要素となります。

また、陸軍とは歴史的に見ても最も現地的な軍の形態でもあります。当たり前ですが、空軍は空の技術が必要になり、海軍は海の技術が必要になります。

陸という基本的な場所から発展したため、最も歴史のある軍隊なのです。

海軍

その名の通り、主に海上領域を担当する軍隊です。艦隊などの船を使うことが海軍の軍事作戦の根幹を担っています。

というのも、地球の表面は約70%が海であり、古来から人類は船舶を利用して生活を営んできました。陸が人間の主要な拠点であると同時に、地球の大部分を占める海を利用することも人類の歴史にとって大変重要なのです。

言い換えれば、その海を支配することができれば、戦争の規模や範囲を制御できるということにもなります。海洋とは、国家や人間にとって有益であるため、軍事においても重要な領域なのです。

海は陸地とは全く異なる環境のため、海軍の軍事組織の中心となるのは船舶です。英語で海軍を表す「navy」は、ラテン語の『navis』からきており、これは軍艦や貨物船、漁船などあらゆる船舶のことを意味していました。船舶というのが海軍にとって重要であり軸であるということが名前からも表れています。

空軍

その名の通り、空を活動領域にする軍隊です。陸軍や海軍と異なり、歴史的には後に登場する軍隊でもあります。

と言うのも、空軍は航空機の発達によって高く評価された軍隊のため、第一次世界大戦でその頭角を表すことになります。陸軍や海軍と並んで主要な軍隊として扱われるようになったのは、第二次世界大戦以降とかなり近代の存在。

(ライト兄弟が有人動力飛行に成功したのが1903年ですから、人間が航空機を利用して地表面を離れて活動する歴史はごく最近のものです)

空軍は航空作戦の遂行を任務としています。歴史が浅いとはいえ、近代になって可能となった航空領域での活動はやはり画期的。なぜなら、前述した陸と海の影響を受けずに、地球上すべての地点に到達できるのですから。

第一次世界大戦以降、航空機の登場により戦争の様相を大きく変えたように、空軍の存在は圧倒的です。世界中が任務の対象となるだけでなく、航空機からターゲットが確認できていれば上空からの攻撃は常に可能となるため、湾岸や空港、主要な幹線道路の破壊活動も容易になります。

これは陸海軍にはない圧倒的な力であり、ゆえに特殊な任務を引き受けることも多い存在です。

それぞれの保有兵器ってどんなの?

陸軍・海軍・空軍はその名の通りそれぞれの領域を担当しているため、任務や活動内容は大きく異なります。

その活動内容の違いを象徴するように、保有している兵器もまったく異なるもの。

ということで、それぞれの軍隊の兵器を紹介して、各軍にどんな活動の違いや特徴があるのかを紐解いていきましょう!

陸軍の保有兵器

陸軍は陸地を活動領域とするため、海や空とは異なり兵士自体が歩行で作戦を遂行することが特徴です。また、陸地を進むために車両を用いるのも陸軍の特徴として挙げられます。

また、空軍ほどの高さではないにしろ、航空機を作戦に用いることもあります。

陸という重要な領域を担当するため、幅広い兵器保有がみられるのが陸軍の特徴です。

武器

任務において様々な用途があるため、武器となる銃器は幅広い種類を用いられます。

単発の拳銃から短機関銃、アサルトアイフルなどの自動小銃、ショットガンなどの大型銃、長距離の対象物を相手にするための狙撃銃など、銃だけでも多種多様なものを用いて任務にあたります。

さらに、機関銃や個人が使用可能な対戦車ミサイルなどの大型武器、手榴弾などの爆弾、発煙手榴弾やスタングレネードなど攻撃以外の用途で敵を撹乱するためのものなど、個人が使用する武器の種類は非常に豊富。

武器の火力が上がると、榴弾砲や対空兵器など、陸地からでも航空機や戦艦に大打撃を与える兵器も扱います。

車両

車両といえば、装甲車両。つまり戦車が陸軍の兵器としてまず挙げられます。陸地を制圧するための恐るべき兵器ですが、タイヤがついているため陸戦用の兵器というのも特徴的。

また、攻撃のみならず、物資の輸送用にトラックを用いるのも陸軍の役割。多用途装輪車両と呼ばれる、悪路でも走行可能で用途に合わせて救急搬送や物資輸送、攻撃車両として利用できる車両など、陸地を股にかける他種の車両を備えているのが陸軍ならでは。

日本では自衛隊の軍用車両を見かけたことがある人だと、その重厚かつ頑強なルックスに一般車とは異なる圧倒的な雰囲気を感じとることでしょう。それだけ防衛や攻勢のために作られた軍事向けの装甲をしているというのが目で見ても伝わります。

航空機

陸軍では航空機を用いることもありますが、多くはヘリコプターを運用しています。対地上戦において空中からの支援物資や攻撃サポートなどを行うのは重要なため、多種多様なヘリコプターを保有しています。

艦船

海軍だけでなく、陸軍もいくつかの艦船を用います。しかし、海軍のように主要任務に用いるのではなく、後方支援に利用することが多いのが特徴。港湾が存在しない場所や、積み下ろしが困難な場において、大型貨物船と地上との橋渡し的な役割を担うなどが主な利用方法です。

海軍の保有兵器

海軍といえばやはり艦船です。陸軍の後方支援がメインの艦船とは異なり、海での活動が中心である海軍は艦船が移動手段であり攻撃手段、そして防衛手段をすべて担っています。

そのため、多種多様な艦船を保有しており、目的に応じて艦船の構造もまるで異なります。

潜水艦

水の中を潜って任務にあたるというのは、海を領域とする海軍ならでは。ほかの艦船を水上艦と呼ぶように、潜水艦は水中という特殊な環境下で任務に当たるため、レーダーの電波や可視光線が届かず、捜索手段として非常に有効な手段でもあります。

また、魚雷という水中からの攻撃手段を持っていることも驚異。

戦艦

大規模な砲撃戦という強烈な攻撃手段を持ち合わせている軍艦です。軍艦の中でも最も強力な艦砲と装甲を保つため、第二次世界大戦頃までは各国の軍事力の象徴とされるほどの存在感があります。

しかし、航空戦力の登場、つまり空軍の台頭によってそれまでほどの存在意義が失われたというものでもあります。

航空母艦

戦艦として主力な攻撃手段としての役割ではなく、空のサポートとして大きく貢献するようになったのが、この航空母艦です。空母とも呼ばれ、会場での航空基地の役割を果たす軍艦です。

つまり、航空機を多数搭載しているため、海上作戦の実施において海の上からどこでも進出できる機動性は、海軍にとって中心的存在となっています。

空軍の保有兵器

空軍といえば、戦闘機。空を自由自在に飛び回る兵器を多数所有しており、世界の戦争事情を一気に変えてしまった世界を股にかける兵器は、最強との呼び声も名高いです。

戦闘機

敵対する航空機との空対空戦闘を主任務とする軍用機。つまり、空中戦という心躍る激闘を行うのがこの戦闘機です。

また、空対空の戦闘のみならず、対地攻撃や爆撃、海上の対艦攻撃など、空から可能な目標のあらゆる攻撃を任務としています。

攻撃機

こちらは空対空ではなく、地上や海の上の目標を攻撃することを主任務とする航空機です。より多くの爆弾類を搭載した航空機は爆撃機と呼ばれ、さらに苛烈な攻撃を可能とします。

輸送機

攻撃に特化しているように思えますが、空軍は人や貨物の輸送を主目的とする航空機も保有しています。

軍用輸送機と呼ばれており、大量の物資輸送を長距離間で行う大型の戦略輸送機や、降下作戦にともなう空挺部隊の輸送を短距離で行う戦術輸送機など、目的に応じてさまざまな輸送機があります。

国家の暴力機関の存在意義

陸海空という地球上で全く異なる環境を領域として活動する各軍は、遂行する任務が当然異なるため、保有する兵器も全く異なる様相を見せます。

国内の安全や秩序を守るためはもちろんですが、特に強力な兵力は他国との戦闘を意識して配備されているため、自国を守るには強力な兵力を保有しているという事実自体が抑止力になります。

強力な軍事力を持っているがゆえに、簡単に宣戦布告をするわけにはいかない。戦争の火種を起こさないためにはより強力な軍事力を保有する必要があるという循環には議論がつきまといます。

とはいえ、国家公認の暴力装置の役割は、攻撃のためではなく、国防や安全のためにあるのも事実。その事実を改めて認識すれば、陸海空軍の存在を危険で恐ろしい存在ではなく、むしろ安全のために必要なものであると考えることができるでしょう。

攻撃は最大の防御なりとはいいますが、理想を言えば、暴力を必要としない安全の実現でしょう。しかし、人間が生物である以上、安全のためには必ず暴力が必要ということが、軍事という形で表現されているのかもしれません。

この記事を書いた人

MIYAMOTO

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