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映画『バタフライ・エフェクト』あらすじ・感想(ネタバレあり)

今回おすすめするのは、『バタフライ・エフェクト』です。この作品、映画好きな人達からもかなり評価が高い作品でして、私も大好きな映画の一つです。

アメリカでは2004年公開、日本では2005年に公開されています。

監督・脚本:エリック・ブレス、J・マッキー・グラバー

出演:アシュトン・カッチャー(エヴァン)、エイミー・スマート(ケイリ―)

「バタフライ・エフェクト(バタフライ効果)」というのはカオス理論の一つで、初期の些細なことが後々に大きな影響として現れることを言います。

この映画はまさに「バタフライ・エフェクト」であり、些細な出来事の変化が主人公エヴァンの、そして彼に関わる人たちの人生に大きな影響を与えていきます。

あらすじ

主人公の名前はエヴァン。少年エヴァンは、人を惨殺する絵を描いたり、包丁を持ち出したりと不可解な行動をするのですが、本人にはその記憶がありません。

不吉な絵を描いたエヴァンを心配した母親は、彼を病院に連れていきます。そこで精神科の医者が提案したのが、日記を書くことでした。

ある日母親が出かけている間、エヴァンはお友達トミーとケイリ―兄妹の父親に預けられることになります。そこでケイリ―の父親はとんでもないことを…。

エヴァンは父・ジェイソンとは一緒に暮らしていません。エヴァンの父親は精神病院にいるからです。精神病院で父親と面会することになったエヴァンだったのですが…。

そして、6年後。ここで彼の人生、そして彼の周りの人々の人生を狂わせる出来事が起こってしまいます。トミーの家で遊んでいたエヴァン、ケイリ―、レニー。そこでトミーはダイナマイトを持ち出していたずらを持ち掛けます。それが悲惨な結果を招いてしまいます。しかし、この悲惨な出来事をエヴァンは覚えていませんでした。

さらに、エヴァンとケイリ―は互いに惹かれあっていくのですが、ケイリ―の兄トミーはそれを快く思いません。異常な父を持ったトミーの性格は、物語が進むにつれ少しずつ影を落としていきます。エヴァンを恨んだトミーが取った行動が、後々に物語に影響を与えていきます。

少年時代の様々な出来事経て、エヴァンは大学生になります。少年時代はしばしば記憶を失うことがあったエヴァンですが、大学生までの7年間記憶喪失の症状が出なくなります。

少年時代の記憶が薄れつつあったエヴァンですが、日記を読んでいると自分にはある能力が備わっていることに気がつきます。その能力というのは、日記から記憶をたどり過去に戻ることでした。

『バタフライ・エフェクト』裏話

実はこの映画には様々な裏話がありますので紹介します。

4種類の異なるエンディングが存在する

本作は元々、バッドエンドが用意されていたのですが、後味が悪いためエンディングが変更になりました。

そのため、DVD・ブルーレイでは4つのエンディングが用意されています。セル版とレンタル版では違うエンディングが見れるので、気になる方はそれらも観てみてはいかがでしょうか。

エヴァンの名前

元々の脚本でエヴァンはChris Trebornという名前でした。これは「T」の位置を動かすと、Christ Reborn(キリスト復活)という文になります。

最終的にEvan Trebornという名前になりました。これも同じように「T」の位置を動かすとEvent Rebornとなり、「再生するイベント」という意味になるそうです。

ちょっと感じた矛盾点

私が感じた矛盾点を挙げるとする、エヴァンが一度過去の記憶を辿ると未来に影響を与えます。過去の記憶から戻ってきたエヴァンがいる「現在」というのは既に過去が変化して経てきた「現在」のはずです。

しかし、刑務所で同室の相方に傷を見せる場面がありますが、過去を変えて戻ってきたなら相方の囚人は既に「手に傷のあるエヴァン」と出会っているべきだと思います。その点矛盾するのではないかな...。良い解釈方法あればいいけど。

感想

いくつか矛盾点はあるものの、非常に評価も高く人気のある作品であり、その評価にふさわしい名作です。

まず凄いと思ったのが主人公エヴァンを演じるアシュトン・カッチャーの演技、そして人格に合わせて体型を変えるほどの役者魂。様々な人格を演じてみせます。

その他の俳優・女優達もそうです。運命に左右され変化する人格を見事に演じ切っています。実力者揃いのキャストですね。

あと、挿入歌ね。オアシスの『Stop Crying Your Heart Out』が切なさを増幅させてくれます。個人的にもアルバム『ヒーザン・ケミストリー』の中で一番好きな曲。

SF映画ではありますが、小さな出来事が人生において大きな影響を与えるというのは、私たちにもありうることです。

あの時、あの場所に行かなければ出会えなかった人もいるかもしれない。今の仕事をしていなかったら全く違う人生を歩んでいたかもしれない。一つ一つの行動が人生を決めているのだと思います。

エヴァンは自分の人生を選ぶのか、周りの人達の人生を選ぶのかの選択に迫られます。このように、私たちの人生においても自己犠牲を伴う選択を迫られる場面というのは、避けられないと思います。

自己の幸せを求めるのか、他者の幸せのために自己を犠牲するべきなのか。その答えを提示してくれるのがこの作品なのだと思います。

また、幼少期の体験・環境というのは人格形成に大きく影響を与えると言われていますが、その点もうまく描いています。

本作、一度は観て欲しい作品です。おすすめ。