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【ネタバレあり】ジブリ映画『耳をすませば』の魅力をご紹介!大人にこそ観てもらいたい名作

こんにちは、映画監督志望の田中です。

毎日映画を観ている私が、おすすめしたい映画の魅力や見どころをご紹介します。

今回紹介する映画は、ジブリ映画『耳をすませば』。

主人公雫と聖司の10年後の二人を描いた実写映画が10月に公開されるということで、改めて『耳をすませば』の魅力を語っていきたいと思います。

実写映画『耳をすませば』作品情報

キャスト
出演:清野菜名 松坂桃李 / 安原琉那 中川翼

スタッフ
原作:柊あおい「耳をすませば」(集英社文庫<コミック版>刊)
監督・脚本:平川雄一朗
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/松竹

あらすじ

読書が好きな中学3年生の少女、月島雫は同級生の天沢聖司と出会う。最初の印象は良いものではなかったが、夢を追う聖司の姿に次第に惹かれていく。聖司も小説家という雫の夢を知り、彼女に想いを寄せ始めるように。そして雫と聖司は「お互いきっと、夢を叶えよう」と誓い合う。
そして、10年の月日が流れる…
24歳の雫は、出版社で児童小説の編集者になっていた。小説家の夢は諦め、書籍を売るために必死な毎日を過ごしていた。バイオリン職人の夢を追い続け海外で暮らす聖司との間には、いつの間にか距離が生まれていた。

※ネタバレ含みます

概要

柊あおい原作の同名少女漫画をジブリがアニメーション映画化。宮崎駿・高畑勲作品を支えてきた名アニメーターの近藤喜文初の長編監督作作品。劇中で雫が生み出した物語世界に、画家・イラストレーターの井上直久が描く架空世界「イバラード」が用いられた。

あらすじ

読書好きの中学生3年生月島雫は、図書館で借りる本の貸し出しカードに「天沢聖司」という名前が多くあることに気が付く。それ以来、顔も知らない「天沢聖司」という人物の存在が気になルようになる。夏休み、雫は図書館へ向かう途中で一匹の猫に遭遇する。猫を追いかけていくと、「地球屋」という雑貨店に辿り着く。やがて雫は地球屋店主の孫の少年が、あの天沢聖司であることを知る。その後雫と聖司は、徐々に仲を深めていく。

しかし聖司はバイオリン職人を目指しており、中学卒業後にしたらイタリアへ渡ることを決めていた。その姿に刺激を受けた雫は、本を読むばかりではなく、自らも物語を生みだそうと決意するが……。

『耳をすませば』の見どころ

まずは『耳をすませば』の見どころをご紹介します。

雫と聖司の素直になれない関係性

この作品は、主人公雫と、同級生の聖司が図書カードを通じて意識するようになっていくというロマンチックな展開が魅力です。文学少女・文学青年なら誰でも一度は憧れるシチュエーションなのではないでしょうか。

そんな青春ど真ん中を突っ走る二人ですが、お互い素直になれない性格のおかげで心を通わせるまで少々時間がかかります。

雫の聖司への第一印象も、あまり良いものではありませんでした。聖司も、はじめに雫にからかった対応をしてしまったせいか、その後も素直に接することができなくなっています。

その焦ったさが、なんとも少女漫画の王道展開で、視聴者をやきもきさせます。

しかし、よく考えたら二人はまだ中学生なんですよね。素直になれないで当然です。自分自身が中学生だった頃を思い出してみましたが、面と向かって異性と向き合って素直に自分の気持ちを伝えるなんてどう考えても難しいものでした。

そう考えると、聖司はラストシーンで男気を見せたなあと思います。聖司から雫への告白は予想の斜め上をいくものでしたが、皆さんはどう感じましたでしょうか。

少女が自分の夢と向き合う大切な時間

この『耳をすませば』という作品は、雫と聖司の甘酸っぱい恋愛ストーリーという側面だけでなく、雫が自分の将来を向き合う成長譚でもあるというのが魅力です。

中学3年生の雫は受験を控えており、自分の将来と向き合うことを迫られます。読書が好きな雫は、受験勉強そっちのけで本を読み続け、小説家になりたいという夢を捨てきれずにいました。しかしそれはどこか夢物語で、地に足のついていない将来像でもありました。

「近頃は本を読んでも前より楽しくない」とこぼす雫は、本当にこのままで良いのかという不安に苛まれ続けていたのでしょう。

そんな中、確固たる夢を持ち、将来のプランをしっかり立てている聖司と親密になっていき、そんな聖司に惹かれていくのです。雫は、聖司との出会いを通し、勇気づけられ、自分も地に足をつけた生き方を模索しようと決意するのです。

他者との出会いが自分を成長させていくというストーリー展開は、いつの時代でも人の心を揺さぶります。聖司と出会っていなかったら、雫は自分自身と向き合うことから逃げ続け、将来のこともおざなりにしていたかもしれません。

さて雫と聖司は、離れていてもお互いの気持ちが変わらないことを誓い合い、別れることになります。二人はその後、どのような人生を歩んでいるのでしょうか。まだ関係は続いているのでしょうか。とても気になりますが、何にせよ、二人が前向きに日々を歩めていることを祈るばかりです。

90年代の聖蹟桜ヶ丘のほっとする街並み

『耳をすませば』は、多摩市の聖蹟桜ヶ丘が舞台となっています。作中では、90年代の聖蹟桜ヶ丘の街並みが随所に描写されており、そのノスタルジックさに思わずほっとしてしまいます。

本作がジブリ映画の中でも一際癒し要素が高いのは、こうした現実世界の哀愁や他愛のない日常のきらめきに焦点を置いているからではないでしょうか。

個人的に好きなシーンは、雫が電車に乗って図書館へ向かうシーンです。昼下がりの絶妙な倦怠感、どこにでもある平凡な1日が、猫の出現により少しだけ彩度を高める期待と予感。思わずわくわくしてしまう場面です。

非ファンタジーの本作は、派手な戦闘シーンや主人公のピンチなどがあるわけではありません。その中でどんな楽しみ方ができるかといえば、やはりそれは暖かい街並みを感じることではないでしょうか。雫は特に街の人びとと関わったり触れ合ったりするわけではありませんが、それでも「街」そのものが雫を優しく包んでいるようなそんな暖かさがあります。

雫にとって街の光景は特別なものではありませんが、そんな振る舞いがかえって、視聴者にとって街を特別なものにしている。そんな印象を受けました。当たり前の日常の素晴らしさを実感できるのも、本作の大きな魅力でしょう。

月島雫はどんな人物?

それでは次に、本作の主人公、月島雫の人物像について迫っていきましょう。

月島家の次女で向原中学校の3年生。無類の読書好きで豊かな感受性を持ち、夏休みには20冊も本を読む程である。自立心が強く、外では明朗活発な性格で友達も多い。反面、家では頑固で口数が少なく、しっかり者の姉に何かと口を出されてはそれに反発している。好奇心が旺盛な思索家で、貸出カードに「天沢聖司」の名前を見つけるとどんな人なのか想像したり、偶然出会った猫のムーンを追いかけたりするが、恋愛には疎く、自身に対する杉村の好意には気づけなかった。最初は嫌な奴だと思っていた聖司に次第に惹かれていくが、彼がヴァイオリン職人の夢に向かって進んでいくのを見て目標を持ってない自分に焦り感じ、物語を書こうと決意する。14歳

読書が好きな明るい少女

雫は中学3年生の女の子で、非常に読書家。夏な隅には20冊読破することを目標にしており、足繁く図書館へ通います。本を読みながら涙を流すシーンからも、豊かな感受性を持っているのが伺えます。

読書好きな文学少女と聞くと、物静かなイメージが浮かびますが、雫は明るく友達も多い活発な性格です。しかし、家では口数が少なく、特にしっかり者の姉には反発している様子。

本来の性格が大人しめなのか、家では反抗期で口数が少ないのかは分かりませんが、多くの人間がそうであるように、雫も多面的な人物だといえるでしょう。

好奇心で突っ走る猪突猛進型

雫は好奇心旺盛で、猪突猛進タイプだといえます。気になったことは自分の目で確かめないと気が済まない性格というのでしょうか。

貸出カードでよく見る「天沢聖司」がどんな人物なのか気になって仕方なかったり、電車で見かけた猫の行方を夢中で追いかけたり。自分の好奇心に従って動く性格といえるでしょう。

バイオリン職人の夢へ着実に進んでいく聖司をみて焦りを感じた雫は、何の目標も持っていない自分に焦り、物語を書こうと決意します。このやや見切り発車なところもなんとも雫らしいといえます。

少し鈍感な面も…?

そんな雫ですが、恋愛面は疎いようで、クラスメイト杉村の好意に気づくことができず、落ち込みます。

杉村の気持ちを知らず、杉村に片想いしている夕子と杉村を無理矢理くっつけようとするなど、鈍感ゆえに墓穴を掘ってしまうことも。

夕子からしてみれば、自分の片想いの相手が雫を好きで、雫はそれを知らずに自分と相手をくっつけようとしている。受験期間中にはしんどい修羅場です。ジブリ作の純愛恋愛ストーリーなので、思ったよりも修羅場にならずに済んでいますが。

天沢聖司はどんな人物?

次に、天沢聖司という人物について深掘りしていきましょう。

天沢家の末っ子で向原中学校の3年生。西司朗の孫。卒業後は高校へ進学せず、イタリアに渡ってヴァイオリン職人になるため修業しようと考えている。素直で自分に厳しい性格で、その目標をしっかりと見据えている姿は雫に大きな影響を与える。最初は嫌味な言葉を浴びせていたが、実は前から雫のことが気になっており、密かに雫と読書量を競ったり図書館で隣の席に座ったりしていた。

図書カードで想いを伝える文学青年

聖司は以前から雫が気になっていたようで、読書家の雫の目に止まるように、雫が借りる前の本の貸出カードに自分の名前を書いたり、図書館で隣の席に座ったりと、一見分かりづらいアプローチを取っていました。

しかしはじめて念願の雫と言葉を交わした際、雫が作詞したカントリーロードの替え歌「コンクリーロード」をいじってしまい、雫の機嫌を損ねてしまいます。なんとも不器用です。

この、ストレートではないアプローチがなんとも聖司らしいですね。(一歩間違えれば気味悪がられてしまいそうなものですが…。)

好きな子はいじめたくなる性格

聖司は少し捻くれた一面があり、特に好きな子の前だと憎まれ口を叩いてしまう癖があるようです。

雫もはじめは聖司に対し「やなやつ」とあまり良い印象を抱いていないようでした。しかし、聖司に悪意はなく、仲良くなりたいけど素直に伝えることができず、憎まれ口を叩くことがコミュニケーション手段になってしまっているようでした。

なんとも憎めない男です、天沢聖司。

バイオリン職人を目指してイタリアへ旅立つ

聖司は、中学卒業後に進学せず、バイオリン職人を目指すためイタリアに修行しようと考えています。中学生でここまで将来設計が出来ている人も珍しいのではないでしょうか。私の周りには、中学3年生ですでに将来の目標が決まっており、そのために今から準備している人などいませんでした。

そのため、聖司は周りの生徒よりどこか大人びていて、近寄りがたい印象を持たれることもあったようです。

しかし身近にそんな人物がいたら、純粋に「かっこいいな」と思ってしまいますよね。すでに自分の将来の目標が決まっているだけでもすごいことなのに、さらに目標のために外国で修行しようと考えているだなんて。きっと雫の目にも、聖司の姿はキラキラして見えたのことでしょう。

『耳をすませば』が楽しめる人の特徴

映画『耳をすませば』が楽しめる人の主な特徴は、下記のとおりです。

  • 少女漫画が好き
  • 学生の恋愛ストーリーが好き
  • ノスタルジックを感じたい
  • 90年代のレトロな東京の街並みを堪能したい
  • 自分の生き方や夢に向き合いたい
  • 昔の純粋な気持ちを取り戻したい

まとめ

以上、映画『耳をすませば』の見どころや感想をご紹介しました。

言わずもがなの名作『耳をすませば』ですが、こうして改めて記事を書いてみて、その魅力を再確認できました。記事を書くにあたってもう一度見直したのですが、やはり幼少期に観るのと大人になってから観るのではがらっと印象が変わります。

子供の頃は、「聖司みたいな素敵な人に出会いたい」「雫みたいにちょっと不思議な体験をしたい」と純粋に目を輝かせていましたが、今観るとなんていうか…きますね。

大人になって忘れかけていた、長らく開けていない心の引き出しが開いてしまった感覚です。

「あの頃思い描いていた夢や将来像に自分は近づけているだろうか」「少女時代の自分に顔向けできる自分になっているだろうか」と、ふと考えてしまいました。

もう一度、自分のやりたいことや生き方に向き合うきっかけをくれる素敵な作品です。観たことがある方も、ぜひもう一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!