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【ネタバレあり】映画『マインド・ゲーム』見どころや感想を紹介!人生はたらればの連続

こんにちは、映画監督志望の田中です。

毎日映画を観ている私が、おすすめしたい映画の見どころや感動をお伝えします。

本日ご紹介させていただくのは、この映画。

マインド・ゲーム』。

『夜明け告げるルーの歌』や『夜は短し歩けよ少女』など多くのヒット作を生み出すアニメ映画監督湯浅政明さんの長編第一作目です。

カラフルな色彩とポップとダークが入り混じった世界観が魅力の湯浅監督作品ですが、この作品はその持ち味がダントツで発揮されています。

※ネタバレ含みます

概要

『アニマトリックス』などで注目を集めたSTUDIO4℃が、ロビン西原作のコミック「マインド・ゲーム」を長編アニメーション映画化。劇場版『クレヨンしんちゃん』で注目を集め、シュールで独特な世界観が光る短編作品『ねこぢる草』を手がけたアニメーター湯浅政明が初の長編監督に挑んだ作品。

一度は死んだものの生き返った青年の一筋縄ではいかない生きざまを、実写や2D、3Dなど多様な映像表現を駆使しハイテンション・エネルギッシュに描ききった意欲作です。声優は今田耕司や藤井隆ら吉本芸人が多数出演していることでも話題になりました。

あらすじ

「なんて無様な人生、なんて醜い死に方、まだ、20歳なのに…」

最低にカッコ悪い死に方をした男が、生への執念と気合だけを頼りに、猛ダッシュで復活!

幼なじみの初恋相手、みょんちゃんに再会した西。しかし、借金の西はみょんと姉、ヤンの営む焼き鳥家に取り立てにきたヤクザによって惨めな殺され方をしてしまう。現世への未練が拭いきれない西は、神様に逆らい再び現世に舞い戻ることに成功する。しかし、今度はひょんなことから巨大クジラに飲みこまれてしまい……。

感想

まずは『マインド・ゲーム』を観た感想をお伝えします。

人生はやり直せる?

この作品は、死んだ男が、再び現世でやり直したいと思ったことで展開される「もし生き返ったら」というパラレルワールドを描いたものだと考えられます。

誰しも一度は、今の自分の現状に絶望し、人生をやり直したいと思うことがあるでしょう。

主人公西は、やり直した現実世界でも災難に巻き込まれ、クジラに飲み込まれてしまいます。

結局普通に生きていくことができないのかと絶望していた西でしたが、クジラの腹の中での生活はそこまで悪いものではなく、初恋の相手みょんちゃんとも仲が深まり、それなりに楽しく暮らすことができました。

しかし西は、クジラの腹から脱出し、外の世界で生きることを望みます。

印象的な西のセリフを引用しましょう。

「良い奴も悪い奴も生きてる世界で俺は生きたい」

人生は良いことばかりではありませんし、良い人ばかりでもありません。やり直した世界でも、結局ヤクザに追われて災難に巻き込まれてしまいました。

それでも、西はそんな善も悪も混在した一筋縄ではいかない世界で生きていくことを望むのです。

楽なことばかりではないけれど、それでももう一度人生やり直してみようと思わせてくれるメッセージがたくさん詰まった作品です。

たらればのパラレルワールド

この作品では、「もし、あの時こうしていれば」「もし、もっと違う選択をしていたら」といった、「たられば」の世界を描いています。

人生は選択の連続と言います。

いくらやり直したくても、時は戻りません。

しかし、もしやり直せるならどうする?それを実現したのがこの作品。

そして、やり直したことで好転することもあれば、やり直して好転したことがきっかけで、今度はもっとひどい災難が降りかかる場合もあります。

つまり、どのような選択をしても、結局後悔することはあるということなんですね。

常にうまくいくことなんてありえない。

それが人生なんだと気付かさせてくれます。

うまくいかないことばかりだけど、自分と向き合い、最善だと思う選択を決定していく。結果はどうあれ、自分と向き合った事実は自分自身を強くする。

そんなことを気づかさせてくれます。

見どころ

次に、『マインド・ゲーム』の見どころを深掘りしていきましょう。

トリップ感満点の映像表現

本作は、トリップ感満載、没入できるアート映画としても非常に楽しめると思います。瞬きすら惜しいほど、毎秒変わっていく画面。アニメチックな絵だけでなく、実写のような画も挟み込まれ、次々と変化していくシーンに驚きの連続。「退屈」という言葉が似合わないほどフルスロットルで楽しませてもらえます。

それはエンターテイメント映画を作るため趣向を凝らした制作陣の努力の賜物ではないかと感じます。

特に怒涛のラストシーンは見ものです。キャラクターたちに何があったのか、答え合わせのようなシーンが、爽快感のある音楽とともに早送りで流れます。

思い返せばすべてはもう過ぎ去っていて、人生はあっという間に過ぎていくという真理の揶揄のようも感じられるほど、ある種残酷ともいえる速さで登場人物たちの人生が通り過ぎていく演出に、圧巻でした。

今田耕司さんの自然な演技

この作品をより魅力的なものにしているのは、主人公の西を演じた今田耕司さんの功績が大きいでしょう。

まず、この「西」というキャラクターが非常に魅力的なんですね。

うだつの上がらない現状に絶望する若者ではありながら、一人の女性をずっと想い続けており、酸いも甘いもあるこの世界を愛している。どこか飄々としており、行動は大胆。悪態もつくが憎めないキャラクターとして、とても好感が持てました。神様が西を見捨てず、人生をやり直せたのも、こういった西の持つ人間力や愛嬌の力なのかなとも思いました。

アニメキャラクターとしての魅力というよりも、実在する人物に対する好感に近いんですね。それは声優を務めた今田耕司さんの、自然な演技あってこそかもしれません。

芸術的に描かれるラブシーン

この作品の大きな魅力が、主人公西と、西の長年の片想いの相手、みょんちゃんのラブシーンです。

学生時代からすれ違いが続いていた二人が、クジラの腹の中多くの時間を過ごすなかで、少しずつ心を通わせていく。そして訪れた和解。

待ち侘びたような二人のラブシーンは、非常に抽象的に表現されています。そして何より喜びに満ちている。男女が結ばれることが、特に好きな人と結ばれることがこれほど歓喜に満ちているものなのか、ということがアニメーションにより表現されていることがすごくセンセーショナルで、しばらく忘れられないシーンとなりました。

『マインド・ゲーム』が楽しめる人の特徴

マインドゲームが楽しめる人の主な特徴は、下記になります。

  • 湯浅政明監督作品が好き
  • 有名監督の過去の尖った作品が観たい
  • ジェットコースターのような展開が好き
  • トリップ感を味わいたい
  • 人生をもう一度やり直したい
  • 生きる希望を見出したい

『マインド・ゲーム』が好きな人におすすめの作品

ここでは、映画『マインド・ゲーム』が好きな人におすすめしたい映画をご紹介します。ぜひ併せてチェックしてみてください!

鉄コン筋クリート

1993年〜1994年「ビッグスピリッツ」にて連載された松本大洋原作の人気漫画「鉄コン筋クリート」を、「アニマトリックス」などハリウッドでVFXスペシャリストとして名高いマイケル・アリアス監督がアニメ映画化した作品。義理と人情の下町「宝町」を舞台に、縦横無尽に飛び回る「ネコ」と呼ばれる2人の少年、クロとシロの暮らしや葛藤を描く。

声の出演に、『硫黄島からの手紙』の二宮和也と、『フラガール』の蒼井優。原作の松本大洋は『ピンポン』や『青い春』でも有名です。

親を知らない少年、クロとシロ。彼らは街を治安を守る者として宝町に住み着き、盗みなどをしながら日々暮らしていた。そんななか、宝町で再開発の話が持ち上がる。ある日「蛇」という謎の男が街に現れ、「子どもの城」というテーマパークを建設すると話が浮上します。宝町が変化していくにつれ、運命共同体のようなクロとシロの関係性にも、変化が訪れる…。

おすすめポイント

『鉄コン筋クリート』は、独特でポップさとダークさを兼ね備えた雰囲気があり、『マインド・ゲーム』が好きな人も楽しめる作品なのではないかと思います。

終盤は主人公、クロの精神世界が描かれ、現実と幻が入り混じった演出、作品世界に惹き込まれる没入観が魅力な本作。

心に残る名言も多く、素敵なキャラクターがたくさん登場します。

ぜひ併せてチェックしてみてください!

四畳半神話大系

主人公は、京都のとある大学に通う三回生の 「私」 。「私」は、 大学での薔薇色のキャンパスライフを夢見ていた。しかし、現実はほど遠く、悪友小津のおかげで実りの少ない二年間が過ぎようとしていた。 「私」はことごとく小津に振り回され、謎の自由人 樋口師匠には無茶な要求をされ、孤高の乙女で気になる存在の明石さんとは、これがどうしてなかなかお近づきになれない。この2年間無為に過ごしたことを悔いていた「私」は、いっそぴかぴかの一回生に戻り、もう一度大学生活をやり直したい と考えるようになる。「もし、あの時計台前で、別の道を選んでいたら、俺のキャンパスライフはどうなった…?」

その願いの呼応したかのように、私は不思議な並行世界に迷い込む。パラレルワールドで繰り広げられる、不毛と愚行の青春奇譚がアニメ化。

おすすめポイント

同じく湯浅監督の出世作で、ノイタミナ枠で放送された名作アニメ。

『マインド・ゲーム』のトリップ感と個性的な演出がこの作品でも存分に発揮されています。

また、この作品でも主人公が自分の現実に引け目を感じており、「もしやり直せたら」と願ったことで「もし別の選択をしていたら」というパラレルワールドを繰り返す構成を取っており、類似点は多くみられることもポイントです。

夜明け告げるルーのうた

『マインド・ゲーム』『四畳半神話大系』『ピンポン THE ANIMATION』など、人気原作の映像化で知られ、個性的な演出で注目を集める湯浅政明監督の完全オリジナル劇場用長編アニメーション映画作品。

音楽好きな人間の少年と、海で生きる人魚の少女の絆、その出会いと別れを丁寧で繊細な描写で綴った本作。フランスの「アヌシー国際アニメーション映画祭」の長編コンペティション部門に出品される。日本映画としては「平成狸合戦ぽんぽこ」以来、実に22年ぶりとなる最高賞のクリスタル賞を受賞する。

寂れた漁港日無町で、父親、祖父と3人で暮らす反抗期の男子中学生、カイ。両親の離婚が原因で、東京からうらびれた日無町へ引っ越してきたカイは、両親に対して複雑な思いを抱えていながらも、それを口に出すことができず、鬱屈した日々を過ごしていた。そんなある日、クラスメイトでバンド仲間の国男と遊歩に誘われ人魚島を訪れたカイは、そこで人魚の少女ルーと出会う。カイは天真爛漫なルーと共に過ごすうちに、徐々に自分の気持を言えるようになっていく。しかし、日無町では、古来より「人魚は災いをもたらす存在」とされており……。

人魚の少女ルーの声を谷花音、主人公カイの声を『くちびるに歌を』の下田翔大が担当。

おすすめポイント

この作品も、『マインド・ゲーム』同様湯浅監督作品として非常に注目を集めました。完全オリジナルということで、より湯浅監督の頭の中を覗くことができるのではないでしょうか。

『マインド・ゲーム』では、主人公たちがクジラに飲み込まれるという展開故、海中のシーンが多く、水の描写が印象的です。本作も、海に住む人魚と人間の交流を描いており、同じように水の効果的で面白い描写が多いです。

『マインド・ゲーム』の水中描写に魅了された方は、きっとこちらの作品も楽しめるのではないでしょうか。

まとめ

以上、映画『マインド・ゲーム』の感想や見どころをご紹介しました。

この作品は、私が人生に行き詰まっていたとき、友人にすすめてもらった作品です。

望まない死を迎えた主人公が、もう一度人生をやり直したいと願ったことで生まれたパラレルワールド世界。

人生は自分が強く望めば、やり直すことができるというメッセージに励まされます。

もちろん単純に映像表現が素晴らしく、何度観ても新鮮な感動を得られる名作です。

未視聴の方はぜひチェックしてみてください。

ここまでお読みいただきありがとうございました!