【ネタバレあり】カオスな名作『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録 』を観てない人がいるらしい

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こんにちは、映画監督志望の田中です!

毎日映画を観ている私が、おすすめの映画の見どころや感想をご紹介します。

本日おすすめしたいのは、こちらの作品。

『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録

TVアニメ「少女革命ウテナ」の劇場版オリジナル作品です。こちらとにかく固定概念を覆すようなカオスな映画で、控えめに言って最高なんです。

聞くところによると、この映画を観てない人がいるらしいんですよ。というわけで、今回はアニメ映画『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』の見どころや感想をご紹介します。

※ネタバレ含みます

概要

TVアニメ「少女革命ウテナ」を劇場用に完全リニューアルしたオリジナル作品。

話数全1話
放送年1999年
制作国日本
制作会社J.C.STAFF
監督幾原邦彦
キャスト・声優天上ウテナ:川上とも子 
姫宮アンシー:渕崎ゆり子 
桐生冬芽 :子安武人 
有栖川樹璃 :三石琴乃 
薫幹:久川綾 
西園寺莢一 :草尾毅 
高槻枝織:西原久美子 
篠原若葉 :今井由香 
ナナミ :白鳥由里 
影絵少女E子:川村万梨阿 
影絵少女F子:こおろぎさとみ 
影絵少女C子:渡辺久美子 
オペレーター:中西裕美子 
オペレーター:福笑子 
男A:橋本昌也

あらすじ

全寮制の名門、鳳学園に転校してきた天上ウテナ。幼い頃のある事件をきっかけに、志高く生きる決心をしたウテナは、その決意から日常的に男装するようになった。

ウテナは学園内で「薔薇の花嫁」と呼ばれている謎めいた美少女、姫宮アンシーと出会ったことをきっかけに、「世界を革命する力」を奪い合う決闘ゲームに巻き込まれてしまう…。

感想

それでは、さっそく映画『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』の感想をお伝えします。

最後まで読めないストーリー展開

この映画は目まぐるしく変わっていく展開、最後までどうなるのかがまったく分からないストーリーが魅力だと思いました。従来のアニメ作品とは一線を画すような内容、どのジャンルにも当てはまらない独自性を感じました。

たとえば大まかなあらすじで言えば、謎の少女アンシーと出会ったことをきっかけに、主人公のウテナが学園内の決闘ゲームに巻き込まれるという運びです。決闘の内容は剣を使ったもので、ファンタジー要素はありません。学園内の建物や雰囲気は現実離れしているものの、何か魔法のようなものが使われることはなく、あくまで現実世界といった設定。それなのに、絶対に現実世界で起きないような奇怪なことばかりが起こり、観るものを良い意味で混乱させます。

王子様不在の世界で女の子がどう生きていくか

一言で言うと「カオス」な映画となるのですが、ごちゃごちゃしているというわけではなく、観賞後は謎の納得感があり、作品としての完成度は非常に高いものになっていると感じます。それは、作品全体を通して伝えたいことがはっきり示されているからだと思います。

作品では、「王子様不在の世界で女の子がどう生きていくか」という課題が示されていると思います。作品に登場するキャラクターや建物はとても煌びやかで、非常に少女漫画然としています。しかし、この作品には明らかに少女漫画には必要不可欠なあるものが欠けています。それが、「王子様」です。

ウテナの王子様であった桐生も、学園の王子様出会った鳳も、作品の世界ではすでに亡くなっています。つまりこの作品では、王子様不在の世界で女の子が生きていかなくてはいけないのです。その課題に、ウテナもアンシーも苦しみます。

これは意外にも、私たちの生きる現実世界にもリンクする命題に感じます。大人になるにつれ、少女時代に憧れていた「白馬に乗った王子様」のような存在に夢を見れなくなります。女性にとって恋人は、自分を守ってくれる王子ではなく、時に自分を傷つける存在でもある。そのことに気づいてからは、王子様不在の世界を生きていかなくてはいけなくなります。求められるのは強さなのです。

そのため、現実離れしたこの作品の中で、私たちは過去の私たちを見ることになる。その絶妙な現実と物語のリンク性が、面白い部分だと感じました。

シュールでちょっと不気味な演出がクセになる

この作品は、突然飛び出す意味深でシュールな演出が頻発します。

突如エレベーターが現れ精神世界に突入したり、急に主人公のウテナが車になり、レースシーンが始まったりと、とんでも展開が目白押し。最初は驚くかもしれませんが、次第にそのシュールな展開がクセになっていくはずです。

シュールな演出が続く本作ですが、その全てが意味深。何の脈絡もなくその演出が行われているのではなく、きちんと意味があると感じさせるところが非常に「上手い」です。

例えばウテナが車になりレースが始まるシーンでも、考えさせる深い意味を感じます。車というのは、大人にならないと乗れないものです。自ら車になるウテナや、その車に乗り込み学園を飛び出すアンシーは、もはや「白馬に乗った王子様に助けられる」か弱い少女ではなくなっているのです。

このように、シュールな展開にも意味があるように感じられるので、難解な作品世界と紐解くためのヒントとして興味深くみれてしまうというのがこの作品の大きな魅力だと感じました。

見どころ

次に、映画『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』の見どころをご紹介します。

非現実的な超空間「鳳学園」にご注目

この映画の大きな見どころは、まさに舞台「鳳学園」自体です。劇中で主人公ウテナが大部分を過ごす場所、鳳学園は非常に現実離れした超空間といっても良いでしょう。

私たちが過ごした学校とはまるで様子が違います。

破格的な土地面積と巨大な建物、ダイナミックなバラ園や広場。どこか近未来的な教室の雰囲気。とにかく、すべてが現実離れしているのです。

この学園の様子を見ているだけでも楽しめるでしょう。

強くたくましく成長するウテナとアンシー

この作品の見どころは、ずばり主人公ウテナとアンシーの劇中での著しい成長具合でしょう。

ウテナは、昔の恋人桐生を引きずり、鳳学園へ転校してきます。アンシーは決闘での勝者へのステータス「薔薇の花嫁」という人権のない立場に甘んじています。

そんな二人はお互いに出会ったことにより、「自分たちはもっと別の生き方があるかもしれない」と気付かされます。

それは先ほど述べたように、王子様不在の世界で強く生きていく道です。

ウテナが車になり、アンシーがその車を運転し学園を飛び出すというシーンは、一見とてもシュールですが、よくその意味を理解するととても象徴的で感慨深い場面でもあるのです。

二人は王子の乗る白馬ではなく、自らが車になるまたは車を運転し、これまでいた場所を捨てて新たな道を見つけていく。まだその道がなかったとしても、自分で作っていく覚悟を持っている。そんなラストは二人の著しい成長が見え、とても感動しました。

『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』が楽しめる人の特徴

『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』が楽しめる人の主な特徴は、以下の通りです。

  • 一味違ったアニメを楽しみたい
  • スピード感のある展開が好き
  • アニメ版「少女革命ウテナ」が好き
  • 少女漫画の王道展開に飽き飽きする
  • 自分らしく生きていきたいと常々思っている
  • シュールな作品が好き
  • 押井守作品が好き
  • 寺山修司作品が好き

『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』が好きな人におすすめの映画・アニメ

ここでは、『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』が好きな人におすすめの映画やアニメをご紹介します。

輪るピングドラム

『少女革命ウテナ』の幾原邦彦が「家族」をテーマに監督・脚本を務めたオリジナルアニメ作品です。

ストーリーは、子供たち3人で暮らす高倉家を中心に進んでいきます。双子の兄、冠葉と晶馬は病弱な妹・陽鞠と幸せに暮らしていた。陽鞠の体調も良いある日、3人は水族館へ出かける。兄たちが目を放した隙に、陽鞠が行方不明に。その後、兄たちが目にしたのは人垣の中で倒れている陽鞠であった。悲嘆に暮れる兄弟だったが、突然、水族館で買ったペンギンの帽子を被った姿で「生存戦略!」と叫び陽毬は蘇生した。ペンギン帽を被っている間、陽毬は、別人格「プリンセス・オブ・ザ・クリスタル」に変わる状態になっていたのだ。そしてプリンセスは、陽毬を助けたければ、「ピングドラム」を手に入れろと兄弟に命じる……。

おすすめポイント

この作品は、『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』と同様の幾原邦彦が監督したアニメです。

独特なセリフ回しやスピード感のあるストーリー展開、シュールで現実離れした演出など、『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』が好きな人は楽しめること間違いなしな作品です。

明かされない過去や、目的のためのミッション、息もつかせぬジェットコースターのようなストーリー展開など、見どころがつまった作品です。ぜひ、試しに1話を観てみてください!

御先祖様万々歳

1989年5月〜1990年1月にかけリリースされた、スタジオぴえろ制作のOVA作品。

原作・脚本・監督に押井守。舞台演劇然とした演出をアニメに持ち込んだ斬新な演出が特徴。登場人物が過剰に饒舌な独特な台詞を話す。「立喰いそば」「犬」「大洗海水浴場」といった、ほかの押井作品でも見られる題材・ネタも随所に含まれる作品です。

おすすめポイント

『御先祖様万々歳』は、『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』の幾原邦彦監督が影響を受けたと公言しているアニメ作品です。『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』で見られる独特なセリフ回しや現実でありながら現実離れした演出などがふんだんに盛り込まれており、やはりクセになる作品です。ぜひチェックしてみてください!

天使のたまご

『天使のたまご』は、1985年に制作されOVA作品です。原案・監督・脚本は押井守。発売元は徳間書店、DVD版は2001年にパイオニアLDCから販売。2007年1月、徳間書店よりDVD版再発しています。

ノアの方舟が陸地を見つけられなかったもう1つの世界を描く。巨大な眼球を持ち、なかに複数の人型の彫像が鎮座する機械仕掛けの奇妙な太陽が海に沈むと、世界は夜を迎える。舞台は方舟のなかの動物がすべて化石になったころの忘れ去られた街。

一人の少年と、一人の孤独な少女が出会う…。

おすすめポイント

この作品も、幾原邦彦さんが影響を受けたのではないかと言われているアニメです。

セリフがほとんどなく、喪失感のある静かな街で淡々と進んでいくストーリーが逆に斬新な本作。難解ではあるものの、観た人を魅了させる独特の不気味さがあります。幾原邦彦作品や押井守作品が好きな人は、ぜひチェックしてみてください。

まとめ

以上、『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』の魅力をご紹介しました。

アニメ映画の中でも抜きん出てカオスでシュール、そして魅力的な本作。一度観たら忘れられないどころか、何回も繰り返し観たくなる不思議な魅力があります。
私はもう10回以上観ています。それでもまだ分からないところがあったり、観るたびに違う発見があったりして、飽きることがありません。

ちなみに、アニメ版『少女革命ウテナ』はただいま1話無料で限定公開中です。映画版とは設定など異なりますが、キャラクター自体は引き継いでいるので楽しめると思います。

シュールな演出も健在ですので、ぜひ観てみてください。

それでは、記事をお読みいただきありがとうございました!

この記事を書いた人

TANAKA

TANAKA