神秘的かつユニーク!食虫植物の生態について調べてみた!

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地球にはたくさんの植物があります。色鮮やかな植物もいれば、変わった生態をしているものなど、どれも魅力的で興味を惹かれることでしょう。
そんななか、非常に特徴的で人々の関心を惹く植物がいます。食虫植物です。
だれもが一度は耳にしたことのあると思います。名前からしても変わっていますし、その生態もその名の通りとても奇妙でユニーク!

しかし、詳しい生態をご存じない方も多いのでは?

そこで今回は、知られざる食虫植物の魅力について紹介いたしましょう。

そもそも食虫植物とは?

食虫植物とは、文字通り食虫という習性を持っている植物の総称です。別名では、食肉植物や肉食植物と呼ばれることもあります。食虫ならまだしも、この呼び方だとかなり物騒ですね……。

しかし、食虫植物もれっきとした植物です。ちゃんと光合成もしますし、被子植物という植物の分類でも主要とされているグループに含まれています。
被子植物とは、種子によって後世を残すタイプの植物である種子植物のうち、花を咲かせて胚珠という器官が見えない種のことをいいます。ちなみに胚珠とは、将来的に種子になるものです。

このように、食虫植物はメジャーな植物の種類属しています。とはいえ、そこから食虫の習性を獲得したことが食虫植物を食虫植物たらしめる理由であり特徴。

現在は12科19属、全体で600種以上が生息していると考えられています。

食虫植物はどこに生息している?

食虫植物はメジャーな種類の被子植物に分類されるといいつつ、実際にそのへんに生息しているわけではありません。タンポポのように公園で見かけるなんてこともなければ、やはり身近なところでお目にかかれないのが食虫植物。

ではどこに自生しているのかというと、なんと湿った荒野や湿原にいることが多いのです。そのため、多くの人が住まう環境とは遠く離れたところに生息していることがほとんどです。
なぜなら、土壌中の窒素やリン、ミネラルなどの栄養素が不足しがちな土地に好んで生えています。

どうして痩せこけた大事に生息しているのか?

明らかに恵まれていない環境で生息している食虫植物。どうしてこんなところで生きているのでしょうか。
じつは食虫植物は、ほかの植物との戦いに敗れたのか、はたまた競う必要のない環境を獲得するために、ほかの植物では生存できない環境で生きる術を身につけたのではないかとされています。
生物が生き残るためには、ほかの生物と生存環境がかぶらないことが重要です。

なぜなら、ほかの生物と同じものを食べなければならないとなると、食べ物の取り合いが生まれます。そのため、無駄に競わないで済むように、あえてほかの生き物が住みにくい環境で生きるようになった生物はたくさんいるのです。

食虫植物もまさにそう。栄養の足りない痩せた大地では、多くの植物はまともに生息することができません。逆にいえば、競う相手がいないため、過酷な環境でも生きることができる術さえ手に入れられれば、結果的には生存しやすくなるのです。

大地からの代わりに空から栄養を補給する食虫植物

ほかの植物と同じように光合成をする食虫植物ですが、痩せた大地からは栄養を充分に摂取することができません。そのため、食虫植物は大地からではなく、空から栄養を補給するようになりました。

それこそが虫を捉えて栄養に変えるという方法です。当然ですが、食虫植物は奇をてらって人に注目されるためにわざわざ虫を食べるようになったわけではありません。ほかの植物たちにはない生き方ができるように進化したからこそ、たまたま食虫という特徴的な捕食スタイルを編み出しました。

食虫植物の捕食方法

食虫植物は自分から動いて虫を捉えるなんてことはもちろんできません。そのため、虫たちを何らかの方法でおびき寄せて捉える種が多いです。
捕食は独自の形態に進化させた葉や茎で行なっています。虫たちを捕食した後は、それぞれの方法で溶かして養分を吸収し、繁殖に役立てるというのが共通しています。

とはいえ、なかには虫をおびき寄せることもなければ、消化器官がないものもいます。食虫植物はまだまだ謎に満ちた部分も多いです。
食虫植物といいながら、ミジンコやタニシの幼虫、さらにはオタマジャクシを捕食するなど、虫以外を栄養源にする種までいるのだとか。

ちなみに、食虫植物は虫を捕れなくても枯れることはないのだとか。その代わり、長期間捕食できなかった場合は、大きさや色、繁殖力が劣ってきます。

食虫植物の種類

食虫植物は大きく分けて4種類がいます。
それぞれが独自の捕食スタイルを持っているため、ユニークな捕り方を紹介していきましょう。

はさみこみ式

二枚貝式罠型など呼ばれるタイプです。食虫植物といえば、この見た目をイメージする人も多いのではないでしょうか?
葉っぱが口のように進化しており、大きく口を開いて捉えるようなビジュアルはまさに食虫にふさわしいですね。

代表的な食虫植物:ハエトリグサ

特徴的なビジュアルから、SF映画などの題材にもなるほど著名な食虫植物です。
葉の内側にあるトゲのような感覚毛と呼ばれるところに虫が入って感知した瞬間、葉を閉じて捕まえます。

虫を捕まえてから24時間から36時間後に消化液が出て、入った虫によるが3日か10日ほどかけで消化吸収します。かなり長時間かけて消化するので、虫にとってはたまったものではありませんね……。
ちなみに、手を触れれば捕食したように閉じるので何度も試したくなりますが、あまりに閉じさせると疲労のため枯れてしまうので要注意。

落とし穴式

はさみ込み式と違って、身動きをとることがない落とし穴式の食虫植物。
ではどうやって捕食するのかというと、葉っぱを進化させた筒状の袋の入り口や、袋の上についたフタから蜜を出して、においで虫をおびき寄せます。

そしてじっと虫が筒の中に落ちるのを待ち続けるのです。
かなり忍耐力の必要なスタイルですね。とはいえ、筒の中には消化液がたまっていて、落ちればひとたまりもありません。消化液に落ちると徐々に消化されるだけではなく、そもそも消化液のせいで筒の中が滑りやすくなっているので、一度虫が筒の中に入ってしまえば逃げるのは非常に困難。さらに筒の中には、下向きに毛が生えていてさらに逃げにくい構造になっています。

そして、虫の大きさにもよりますが、約1週間かけてじっくりと虫を溶かしていくのです。
じっくりと待ち続けなければいけませんが、一度袋に入れば食虫植物のものですね。

しかし、この難攻不落の筒から逃げ出すツワモノもいるのだとか。筒である葉っぱをかじって、穴を開けて逃げたスズメバチの例があるなど、捕食された側も黙って溶かされないぞと必死に抵抗する場合もあります。
生命の生き残りをかけた攻防には興味がつきません。

代表的な食虫植物:ウツボカズラ

落とし穴式の代表的な植物はウツボカズラです。この食虫植物はゲームのキャラクターにも起用されているので、食虫植物といえばこのビジュアルを思い浮かべる人も多いかもしれません。
ちなみに、ウツボカズラは根っこが貧弱で寒さにも弱いため、栽培するには難易度が高いとされています。

ねばりつけ式

葉っぱが口のようになって虫を捉えたり、筒のようなトラップで待ち構えるだけではありません。
一見なんの変哲も無い葉っぱを使って虫を捉える食虫植物もいます。なんとこの手のタイプは、葉の表面に生えた毛からねばりのある液を出して虫を捉えます。そのため、一度葉っぱにくっつけばネバついてしまい、虫の足や体、羽根にくっついて捉えるのです。

代表的な食虫植物:モウセンゴケ

ねばりつけ式の食虫物の代表がモウセンゴケです。この種は捉え方が独特で、葉っぱについた毛が虫を包み込んで、虫の体を押さえ込むように巻き付いていきます。

数時間から半日かけて葉を巻きつけていき、腺毛と呼ばれる器官から消化液を出して虫を溶かし、吸収して栄養源にします。
消化を終えると、巻き付いた葉と毛はゆっくりと元に戻っていきます。

粘りつけ方式はほかの捕食方法よりも虫を捕まえる範囲が広いため、捕食能力が高いのが特徴です。羽が引っかかりやすいので、虫にとっては脅威となりやすいでしょう。

吸い込み式

食虫植物が生息するのは地上だけではありません。なんと水中で生息するタイプの食虫植物もいます。
はさみこみ式や落とし穴式とは異なり、見た目に特徴的な部分はありません。
ではどうやって捕食するかというと、茎を使って虫を捕食します。

代表的な食虫植物:タヌキモ

水に生息するタヌキモは、茎を使って生き物を捉える食虫植物の一つ。
茎を使ってどうやって捉えるのかというと、じつはこの茎には極小の袋がついています。そして、極小の袋の入り口に、内側に開く扉があるのですが、これを水圧を使って吸い込み、まるでスポイトのように利用します。

ちなみに、タヌキモは虫以外を捉える場面が目撃されたこともあるのです。ミジンコやタニシの幼体、さらにはオタマジャクシまで食べるため、食虫植物の謎や奥深さを垣間見ることができますね。

食虫植物は人も食べられる!?

現実にはありえませんが、理論上は食虫植物は人間を食べることも可能なのだとか。
というのも、食虫植物はタンパク質に反応して生き物を消化しています。つまり、タンパク質である人肉にも反応するということです。

しかし、実際には人を捕食できるほどの食虫植物は存在しないため、もちろん人を捕食することはできません。

では、考え方によっては超巨大な食虫植物が存在すれば、人間を食べることも可能ということになります。そのため、SF映画やアニメ作品などでこういった食虫植物が登場するのは、理論的には正しいのです。そう考えると、なんだか急に恐ろしくなりますね。

食虫植物はどこに生息している?

食虫植物はさきほども紹介したように、枯れた栄養のまずしい土地に生息しています。さらに、日当たりのいい湿地帯という環境。
日本で言えば、千葉県の成東・東金食虫植物群落や、群馬県の赤城山、栃木県の雲竜渓谷、長野県の志賀高原や、福島県の五色沼、愛知県の葦毛湿原、北海道の大雪山などに自生しています。

このように、あまり身近な環境には生息していないというのも、食虫植物の特徴を表していますね。
自生地に足を運ぶのはなかなか難しいので、身近に見かけることができるのは植物園です。また、定期的に展示会なども催されているため、興味を持った人は足を運んでいて見てください。

知られざる食虫植物の生態と魅力

食虫植物はその名の通り虫を捉えて食べるものが多いとされていますが、虫以外を捉える種もいれば、虫を捉える器官もなければ消化液すら分泌しないサラセニア科など、微生物によって分解された栄養分を横取りする種なども存在します。
独特でありながら謎に満ちた部分もまだまだある食虫植物。それゆえに今後も人々の興味を惹き続けることでしょう。

この記事を書いた人

MIYAMOTO

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