46億年の歴史はどうやって解明された?地球誕生の秘密

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私たちが存在しているのは母なる星、地球があるからこそ。そんなことはだれにとっても自明の理ですが、この地球がどうやって誕生したのかを知っている方はそんなに多くないのでは?

私たちの地球の歴史は人類史など比較にならず、46億年もの太古に生まれました。1000年や1万年前といわれても遥か彼方に感じられるのに、桁が異なる誕生した時代を想像することすら困難です。

しかし、不思議ではありませんか?

人類が誕生しているわけがない46億年前に地球が誕生したなど、どうして分かるのでしょうか?

また、地球はどうやって誕生したのでしょうか?

地球誕生という壮大な謎について、今回は調べてみましたよ!

地球が生まれたのは太陽のおかげ?

地球は46億年前、どうやって生まれたのか。その鍵は、宇宙のチリにあります。

チリとは、あのチリです。ゴミのような非常に細かいあれです。あんなものから地球が生まれたのかと驚かれるかもしれませんが、まさにその通り。宇宙のゴミから母なる地球は生まれました。

その地球が生まれるには、壮大な歴史があります。宇宙のゴミが集まって、いきなり地球が生まれた、わけではないのです。

まず、宇宙に広がってるガスやチリが、重力の影響で1ヶ所に集まっていったのが始まりとされています。これらガスやチリは星間雲と呼ばれています。

いったん重力によって星間雲が集まり始めると、ゆっくり回転しながら大きな塊になっていきます。
そして、中心部に向かって収縮するスピードを速めていった結果、円盤状の形になるのです。
そのうち、中心部の密度も上昇していって、ついには核融合反応を起こします。こうやって、約46億年前に生まれたのが原始太陽だと考えられているのです。

原始太陽とは、その名の通り生まれたての太陽です。このとき、まだ地球は生まれていません。
ちなみに、原始太陽は収縮による重力エネルギーを解放することで輝いていたそうです。神秘的な誕生した太陽は、その光景すらも見るものを魅了していたことでしょう。残念ながら私たちは観測することができませんでしたが。

原子太陽と10兆個の星のおかげで生まれた母なる地球!

原始太陽、つまり生まれたての赤ちゃん太陽は、その存在をもってして周辺の環境に大きく変化を与えていきました。

原始太陽の周辺を取り囲んでいたガスやチリは、宇宙空間に熱が逃げると凝縮し、衝突と合体を繰り返して巨大化していったのです。
そして、原始太陽が生まれる辿った過程と同様に、これらは塊となっていきました。それも地道に大きくなっていき、数千年の長きにわたる歳月をかけて、やっと直径10キロメートルの小さな惑星になったのです。
数千年かけたというのも驚きですが、もっと驚くのは次です。塊となっていった星は1つだけはありませんでした。

その数は1万?それとも1億?

なんと同時に生まれたのは10兆個!

桁が外れ過ぎていて想像できた人もいないのではないでしょうか?
この10兆個がさらに衝突と合体を繰り返して、原始太陽のように原始惑星が誕生したのです。

46億年前、その一つとして生まれたのが原始地球、我らが母なる星はこうして姿をこの世に現しました。

地球の生まれた姿は灼熱地獄!

我らが地球がやっとその存在を宇宙に見せてくれましたが、生命の星となるにはまだまだ気が遠くなる時間が必要でした。

というのも、生まれたての地球には生命が存在できる隙など微塵もありませんでした。皆無です。
なぜなら、原始地球はマグマで覆われていたのです。「マグマオーシャン」と呼ばれるほど、地球は青い星ではなく真っ赤な灼熱の地獄でした。

そんな地球ですが、どうやって灼熱の星から現在の姿へ変えていったのかというと、とにかく時間をかけてマグマが冷えるというシンプルな理由です。40億年前までには表面が冷えて地殻が形成され、原始の海洋が存在していたことが岩石分析などで判明しています。

なぜ46億年前に生まれたと分かるのか

ここで本題の一つである大きな謎です。どうやって地球が46億年前に誕生したと人類は知るに至ったのでしょうか。地球誕生の謎の解明には、放射性元素を使用しています。

あまりに聞き馴染みのない言葉をいきなりぶち込んで困惑されるかもしれません。説明しましょう。放射性元素とは、放射線を出しながら、徐々に壊れていく性質を持つ元素のことです。

これをどう使うのかというと、時計として利用します。徐々に壊れていくという性質を時間計測に使うことで、地球がいつ生まれたのかを調べることができるのです。

時計に使う放射性元素のはウラン。そして、同じウランでも原子1個の重さが違うものがあるのですが、これを同位体といいます。
ちなみに、ウランにはウラン235とウラン238という同位体があります。この235と238という数字は、水素原子の重さの何倍かを表しているのですが、ウラン235は約7億年で元の個数の半分が壊れます。それに対して、ウラン238は、約45億年で元の個数のうちの半分が壊れます。

たった3の違いで7億やら45億やらの数値変化があるのも驚きですが、まずさっきから億なり兆なり、桁が日常生活からかけ離れた数値ばかりが並ぶというのも、宇宙の壮大さを感じ取ることができる要素ではないでしょうか。
話を戻しましょう。

このウラン235とウラン238は、壊れると鉛207、鉛206に変化していきます。この変化も計測には不可欠。ウランと鉛を使えば、岩石や鉱物が何年前に固まったのかが分かるのです。

多くの岩石や鉱物には、わずかながらウランを含んでいます。
これら岩石や鉱物に含まれるウランと鉛の同位体の濃度を比較すれば、いつ固まったのかが推測できるということ!

鉱物の調査によって宇宙誕生の時期を特定!

では、どの鉱石を調べれば地球誕生の謎を解き明かすことができるのでしょうか?
その秘密は、宇宙から飛来する物質です。つまり隕石を調べれば、宇宙の謎が分かるということ。

なぜなら、宇宙から落ちてきた隕石なら、地球の材料になった当時のままの物質だからです。つまり、地球が誕生した当時の物質が宇宙を漂っているということでもあります。これ自体が驚きですよね。

先ほど紹介した放射能元素を用いた計測で実際に落ちてきた隕石を調べてみたところ、一番古いもので約45億6700万年前に固まったことが分かっています。

しかし、これだけでは地球誕生の年代は分かりません。というのも、調べた物質が地球を構成していた物質かどうかが判らないからです、
そこでもう一つ、別に調べる必要があります。地球上で一番古くマグマが固まってできた鉱物も調査するのです。

その結果、宇宙で一番古い物質は約45億6700万年前にできたもので、この隕石の形成年代と地球誕生の時期のズレは数千万年程度だと考えられているため、地球が約46億年前にできたとされています。

約46億年前に地球は誕生したと考えられるに至った根拠は、化学の力はフルに発揮して、宇宙からの贈り物と地球の調査を行なったために判明しました。

生まれたての母なる星「原始地球」とは?

さて、46億年前に生まれた母なる星地球。その姿は、先ほどもちらっと紹介しましたが現在とはかけ離れた地獄のような星でした。マグマオーシャンと呼ばれるマグマの海に覆われた生まれたての星、原始地球は、生命がまったく存在できない惑星だったのです。

それは、ほかの兄弟星も同様です。同時に生まれたほかの惑星も、同じように灼熱の惑星だったため、なにも住めない星でした。
ほかにも生まれたての星たちには同じ条件がありました。原始地球を含めた微惑星には、わずかに水分が含まれたのです。

しかし、1000度を超える高温のマグマで覆われていればすぐに蒸発するため、この水分はあってもなくても同じようなもの、というのがほとんどの惑星でのことでした。

ところが原始地球の場合は条件が異なったのです。地球がもつ引力によって、蒸発した水分が宇宙に飛び去るのを防ぎました。その結果、空に水分が溜まっていったのです。ほかの星からは水分が蒸発して宇宙空間に飛んでいくなか、地球だけは水分を星の中に留めることができました!

しかし、とはいえ地球はいまだに灼熱の星。マグマの煮えたぎる地球は温度が高すぎるため、空の水分、つまり水蒸気は水滴になることができませんでした。

原始地球に降り注いだ大洪水

空に溜まった水蒸気は、一体どうなったのでしょうか?

ずっと停滞し続けていたわけではありません。なんとかして降りてきます。1億年の歳月をかけて、やっとですが。

1億年経ったらどうなったかというと、地上のマグマの温度が下がったのです。自然にマグマの温度が下がること自体が壮大ですが、1億年かけるというのも長大な時を経ていますね……。

とにかく、マグマの温度が下がることで、地球の温度は下がっていき、引力によって空に停滞し続けた水蒸気はやっと水滴になることができたのです。

水滴とはつまり、雨です。しかし、考えてもみてください。わずかながら地球に水分があったとはいえ、星に溜まっていた水分がずーっと空に停滞していて、それが急に地上へ降り注ぐ。一体どれほどの量だったのでしょうか?

その降水量は甚大で、一瞬で海が出来上がったほどです。もう一度言います。一瞬で海が出来上がったのです!
文字通りの大洪水が原始地球を襲いました。海ができるほどの雨ですから、そりゃあそうなりますよね。

海ができたことで生命の起源が発生

一瞬にしてマグマの星から水の惑星へと変貌した地球。この変わりようにいささか動揺を隠せませんが、とにかく地球環境は劇的に変化し、それゆえに地上の世界は様変わりしていきます。

微惑星の成分が海に溶け出したことで、生命の源ともいえるアミノ酸やタンパク質がたくさん生成されたのです。
このタンパク質が元になってDNAができて、生命の元はつくられていきました。生命の星、地球がここでようやっとスタートを切ることに!

しかし現状、生命誕生については謎が多いといわれています。生命の元となったご先祖様がいつごろ生まれたのか、そもそもなんだったのかは解明されていません。

一応、40億年前には最初の生命が誕生したと考えられています。とはいえ、その頃は海、どころか空にも酸素はなかったため、生命の祖先様はどうやって生存していたのでしょうか?

酸素なしでも存在できる生物がいる

じつは現代でも、酸素なしで生存できる生物がいます。例えば、私たち人間の身近にもです。身近どころかゼロ距離、なんとお腹の中に存在しています!

それは人間の体内に存在する大腸菌です。彼らは酸素ではなく二酸化炭素を使って呼吸しています。そのため、最初に生まれた生命は大腸菌のような生物だったと考えられているのです。

それら生命の先祖といえる存在が、太陽の光を利用して栄養を作っていたとされています。そして、二酸化炭素を取り込む代わりに、要らないものとして酸素を出していのです。
つまり、元は酸素は廃棄物であり、太古の生物たちは二酸化炭素を必要として生活していました。

ちなみにですが、地球には酸素同様に鉄も存在していませんでした。ではどうやって鉄は地球上に誕生したのかというと、植物が吐き出した酸素が、海に溶けていた鉄分を酸化させていったため。酸化してサビとなった鉄分は海に沈殿していったのですが、これが鉄鉱石となりました。
つまり、現代で利用している海から採取できる鉄鉱石は、20億年前、30億年前にできたものなのです。これは神秘的ですよね!

その他にも、石油や石炭、天然ガスといった化石燃料も、鉄鉱石同様に、太古の地球が生み出した贈り物です。なぜなら、これらは生命の死骸が集まってできたものなので、大昔の生き物たちが姿を変えて、私たち現代の人間の行動するためのエネルギー源となっています。

世界は生命は循環によって機能している

原始太陽の誕生から、46億年前の地球誕生、そして太古の生物たちと長大な歴史について紐解いていきましたが、それらは私たち現代人の生活に密接につながっているということが分かりました。これだけでも遥か昔の出来事が無関係には思えず、不思議な気持ちになりませんか?

連綿と紡がれる生命の連鎖は、自然界では当たり前のことでもあります。それは食物連鎖と循環という形で行われています。

たとえば、海の中を想像してみてください。

陽の光で光合成をする小さな植物プランクトンを、小さな魚が食べる。
その小さな魚をもっと大きな魚が食べ、その魚が生んだ卵や稚魚をほかの小さな魚が食べます。
死亡した魚は分解されて、植物プランクトンの栄養になって、また魚が食べる。

こういった食物連鎖や生命の循環は、海の中や地上でも当然起こっていることです。そしてこの紡がれていく連鎖こそが、太古から現在へ生命をつなげてきました。

星がほかの星との衝突で生まれたように、生命もときに衝突してときに協力し、様々な繋がりを経て歴史をつくっています。

星の起源から現在まで、46億年という長大な時間を経ました。これからの地球はどのような繋がりの元に、どのような歴史を歩んでいくのか。現代人である私たちの目からも興味が尽きることはありません。

この記事を書いた人

MIYAMOTO

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