エンパワーメントの使い方を解説!意味や使用例も

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この記事では、「エンパワーメント」という言葉の意味や使用例をご紹介します。

エンパワーメントという言葉をテレビやネット記事などで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。エンパワーメントという言葉は、心理用語や医療用語などで多く使われ、業界によって意味が異なる場合も。

エンパワーメントの業界別の意味や使用例を知り、正しく使い分けましょう。

エンパワーメントとは

 エンパワーメント【empowerment】

1権限を与えること。

2社会福祉政策において、従来のサービスを提供するやり方とは別に、受益者に直接手渡す補助金を増やして、それを選択する権利を与え、政府の介入や裁量を減らそうという考え。

3よりよい社会を築くために人々が協力し、自分のことは自分の意思で決定しながら生きる力を身につけていこうという考え方。また、組織の業務処理において、メンバーの考えを積極的に取り入れ、権限を委譲することで、相互に協力しながら自発的に目標の達成を目指そうという考え方。

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エンパワーメントとは、社会組織に属する一人ひとりが抑圧されることなく必要な力を付けるという意味があります。その結果、その人の潜在的な能力を開花させ、個人の影響力を拡大させていくことができます。

もともとは20世紀にアメリカで起こった市民運動・先住民運動といった公民権運動で提唱されていた考え方であり、1980年代の女性の権利獲得運動で広がった言葉とされています。

一般的な意味

前述したように、一般的に使われる「エンパワーメント」には、「その人が持っている抑圧された能力や資質を表に出す」という意味があります。

社会で抑圧されている人に対して、その人が一個人として重要な存在であるということを認める行為であり、社会や組織を発展させていくためにとても大切な考え方だといえるでしょう。

心理用語で使われる意味

心理学用語におけるエンパワーメントには、社会のなかで差別を受けている人や弱い立場の方が、自ら問題に向き合い自力で解決できるようになる力を取り戻す方法といった意味があります。

臨床心理士はそういった方に対し、社会的なスキルを培う機会を設けさせ、自身の権利を行使できる環境を整えてサポートします。

教育における意味

教育におけるエンパワーメントは、「子どもが自身で考える力を養い、持っている能力を最大限引き出す」ことです。これは教育現場においてとても大切な考え方といえるでしょう。

子どもにすべてを教えてしまえば、自分自身で考える力を失われ、成長の機会は失われてしまいます。子どもに自ら思考させ、問題や課題をする力を与えることで、一人ひとりの個性や資質を利用して解決する能力を引き出すことができます。

企業における意味

企業におけるエンパワーメントの意味は、「権限委譲」や「能力開花」です。これは、社員一人ひとりが、自分の意思で業務をこなすことができる状態にすることをいいます。教育におけるエンパワーメントと似た意味を持つといえるでしょう。

かつては、マニュアルに従い上司が部下に業務の指示を出し、部下はそれに従うのが一般的とされていることもありました。しかし、それでは社員が主体性を持って業務をこなす成長の機会が失われてしまいます。

昨今の企業では、社員一人ひとりに主体的に問題を考えさせ、解決に導く力を養いさせる「エンパワーメント」の考え方が浸透し始めているようです。

医療・看護における意味

医療・介護現場では、個人の健康に対して「エンパワーメント」という言葉が使われています。ここでの意味は、患者やその家族が、健康的な生活をコントロールしていけるよう援助するといったことになります。

たとえば在宅看護では、患者や家族が病状を悪化させない、完治させるための援助として「治療環境の整備」「看護への知識向上」などが重要視されています。

このように現在医療や介護の現場では、エンパワーメントという言葉が、「患者の病気を未然に防ぎ、健康維持を続けるための考え方」と確立されているといえるでしょう。

エンパワーメントの使い方と使用例

エンパワーメントは、基本的に「名詞」として使われます。以下、エンパワーメントの使用例を見ていきましょう。

  • 社員一人ひとりのエンパワーメントに貢献する働きを心がけたい(企業)
  • さらなる企業発展のため、エンパワーメントを図る(企業)
  • 教育におけるエンパワメントには、子ども一人ひとりに、唯一無二の素晴らしいです個性があり、誰しも自分だけの力を発揮して活躍することができるという前提と願いがある(教育)
  • 彼の教育実践から、エンパワーメントという言葉が生まれた(教育)
  • 一人ひとりの潜在能力を引き出し、会社の発展や個人の成長に結び付けるエネルギーとすることが、組織やに求められるエンパワーメントである(企業)
  • さまざまな医療団体で、患者の権利章典または宣言書による患者のエンパワーメントの道筋をたどってきたとされる(医療)
  • 患者のエンパワーメントに貢献したいという思いが、医療従事者のモチベーションとなっている(医療)

まとめ

以上、エンパワーメントの意味や使い方を解説しました。エンパワーメントという言葉は、非常に広い業界で使われいることが分かりました。その意味合いも、シチュエーションによって変わっていきます。

文脈やどの業界のどういった場面で使用されているのかよく考え、正しく使い分けましょう。

この記事を書いた人

TANAKA

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